新型犬型相撲日録

元木村山の前髪

菊の昇進を喜びつつもどうした白鵬の十四日目

今日のテレビ中継、担当は吉田アナ。
歯切れのよい七五調の実況で、準備してきたようなクサイせりふも時に繰りだすが、
キャラが陽性なので刈谷アナのような嫌味がない。私はかなり好きである。
そんな十四日目。



三役昇進が確定的となった豊真将。
今日の相手も昨日に続き下位で大勝ちした力士。

○豊真将<前一9−5>(よりたおし)臥牙丸<前十一10−4>●

立ち合い臥牙丸、低く当たってくる豊真将を突きおこそうとするが、
豊真将下からあてがって対応、まったく下がらず。
しかし臥牙丸負けじと左をのぞかせ、右の上手に手をのばしながらグイグイ前へ。
豊真将下がりながらも腰をふってこれを阻み、土俵際左四つで両まわしを引いて残す。
臥牙丸寄っておいての右小手投げで崩しにかかるが、豊真将そんなものでは崩れず、
相手の腰をひきつけ寄りたて、最後は寄り倒し。

いったん攻められはしたが、技術面ではこちらの方が段違いに上。
豊真将も落ち着いてとっていた。
これで何と9勝。場所前には考えもしなかった好成績。
まあ終盤に来てちょっと割に恵まれている気がしないでもないけれど。

明日の相手はまた平幕で大勝ちの、今度は栃乃若。
なんとここまでマショーと同じ9勝4敗。
覇気のない顔に似合わぬパワフルな出足を今場所は見せている。

豊真将はこのホープと先場所初顔で対戦して、勝ってはいる
ただこのときは豊真将がモロハズで俵へ追いこんだところで、
あの軟体動物のような上体をくねらせて二本差してきてびっくり。
栃乃若が大喜びしてバタバタと逆襲に転じてくれたので、
咄嗟の突き落としで辛くも勝てたが、ちょっと油断できない相手だ。



そして稀勢の里。
8連勝のあと3連敗してやっぱり稀勢の里はダメかな、と思っていたら、
そのあと白鵬、臥牙丸相手に2連勝。ムラッ気ありまくり。
今日の相手は勝ち越しかかる栃煌山。

●栃煌山<前三7−7>(おしだし)稀勢の里<関脇11−3>○

立ち合いいつものごとく二本差しに来た栃煌山、
稀勢の里左からおっつけてブンと右へ泳がせると、バチバチ突いて土俵際へ追いこむ。
するとここで相手に誘われたか左四つに組んでしまい、寄り切ってフィニッシュしようとする稀勢の里。
途端に腰が高くなって威力がなくなり、栃煌山左をのぞかせ活路を見出そうとする。
しまったと稀勢の里、も一度左からのおっつけでブンと泳がせ、
今度は離れたまま押しこみ、そのまま勝負をつけた。

突いたり押したりする分にはいいが、四つに組むと急に腰がふわふわ。
やっぱりこの辺りが課題なのだろう。



結びは白鵬と把瑠都の横綱大関戦。
おととい、きのうと関脇に連敗して、調子の悪さを露呈した白鵬。
どんな相撲を見せるか。

○白鵬<横綱12−2>(うわてだしなげ)把瑠都<大関9−5>●

立ち合い把瑠都踏みこみまさり、白鵬の右差しをおっつけて許さず。
ならばと白鵬まずは相手得意の左四つに組むが、
取らせてはいけない右の上手を簡単に与え、ガップリの体勢。
しかしここから白鵬右を巻きかえ双差しに成功、前に出ようとするが力が無く何やらフウフウ言っている。
よっしゃと把瑠都、ねじ込むように力づくで左を巻きかえにかかると、
白鵬はいつものようにタイミングよく左から出し投げで崩すでもなく、
右からのおっつけでひたすら耐え忍ぶばかり。違う人が相撲を取っているみたいだ。
けっきょく力負けして左を差され、再び左四つガップリに戻る。
把瑠都は引きつけて寄ったり吊り上げたりとまた無理矢理に攻め込むが、
白鵬何とかこれを堪え、最後は左手で足をはらいながら右から出し投げを決めて辛くも勝利。

普段のキレも威力も全く見られない白鵬。
取組前の支度部屋からのレポートでは、
心と体がうまくかみあわない、といったニュアンスの本人の談話が伝えられた。
自分のイメージ通りに体が動いていないのだろう。
先場所同様、終盤の大失速である。



琴奨菊は分のいい日馬富士を難なく下し、2敗をキープ。大関昇進をほぼ決めた。
しかし同じ星で並ぶ白鵬がこうも調子が悪いと、むしろ優勝のほうに目が向いてしまう。
琴奨菊は把瑠都、白鵬は日馬富士が明日の相手で、片方が勝って片方が負ければ当然そこで決まる。
今の日馬富士がどこまでやれるか、ちょっと望み薄ではある。
しかし本割で琴奨菊が決める可能性もあるし、決定戦ともなれば勢いからして俄然有利だろう。