新型犬型相撲日録

元木村山の前髪

横綱相手の阿覧の変化がうれしい六日目

●豊真将<十両十四・2−4>(よりきり)鏡桜<十両十三・5−1>○

立ち合いマショー当たり負けて後退、
しかしちょっとこらえて体勢を低く整え、前傾姿勢の構え。
マショーらしい動きをちらりと見せる。

それでも相手は左をさしてグングン前へ出てくる。
マショー右からおっつけて回りこみ、土俵を半周して逃げ回る、
それでもしつっこく食い下がる相手に土俵際引き落としを試みるが、
体勢をくずして右の上手をあたえてしまう。
そのまま寄り切られる。

負けるには負けたが、
立ち合いのあと一瞬らしい動きが出たのは悪くなかった…と思いたい。
2連勝のあと4連敗という苦しい星取りだが、
これもまたツラ相撲のマショーらしい展開で、
どこかで勝ちさえすれば、一気に4連勝くらいしてくれる…はずである。
最終的にはちゃんと勝ち越してくれる…と願っている。



○栃煌山<小結2−4>(よりきり)把瑠都<関脇3−3>●

栃煌山立ちあい二本ざしに成功。
把瑠都後退しながら例によって強引な右からの小手投げを打つが、
逆に体勢をくずし、寄り切られる。

このところ強くなったのが目に見えてわかる栃煌山。
以前なら投げをくらってバッタリ倒れていたはずの今日のような相撲でも、
逆にその機に乗じて前へ出て行くような動きを見せる。
星こそあがっていないが、見ていて楽しい。



今場所いいかも、と思ってみていた琴欧洲だが、
昨日妙義龍の速攻に敗れて今場所初黒星。
この日の相手は苦手の安美錦。取り直しの熱戦になった。

○安美錦<前一・1−5>(よりきり)琴欧洲<大関4−2>●

琴欧洲慎重に突いてでるところ、安美錦うまくかいくぐって双差し。
琴欧洲かんぬきに決めて出るが、二の腕のあたりをしめつけているから余り効かず、
土俵際安美錦のうっちゃりを許す。
落ちるのは同時で、体も割れたとも割れてないとも見える微妙な格好。

協議の結果もういっちょうで、
こんどは安美錦立ちあい右に変化、
琴欧洲の右腕たぐって体勢をくずし、右をさして中へ、
そのまま速攻で前へ出て寄り切る。

琴欧洲も右をさされて左の上手はとれたが、
そこからどうこうする暇を与えない安美錦のスピード。

あらら、やっぱり今場所もいつもの琴欧洲なのか。
立ち直ってほしいのだが。



●阿覧<前三・3−3>(おしだし)日馬富士<横綱4−2>○

阿覧立ちあい右へ変化。
日馬富士前へつんのめるが、
タックルのように相手の両足をつかんで何とかこらえ、突いて出る。
おしこまれた阿覧再度引くが、まともに呼び込む形で、寄り切られる。

同格や格下相手にはよくみせる阿覧の立ちあいの変化。
しかし横綱や大関あいてには、
遠慮もあってかあまりこれまで見せることがなかったように思う。
それがまさかの今日の動きで、日馬富士も面食らったろう。

このところ相撲振りに欲の出てきた様子が感じられる阿覧。
よくやる立ちあいの変化を横綱相手に披露した今日の取り組みもそうだが、
他の相撲でも、以前なら左は横ミツをとって強引に振りまわすばかりだったのが、
前ミツをとって頭をつけ、出し投げ(下手だけど)を試みたりもする。

マゲつかみの反則の常習者であったり、
支度部屋でのコメントがやたら面白かったりと、
三枚目のキャラがすっかり浸透している人だ。
下位相手には遠慮のない暴力的な相撲をとる一方で、
上位と取ると借りてきた猫のようにおとなしい取り口なのも、
その点に拍車をかけている。

何か本人のなかで期しているものがあるのだろうか。
28歳の阿覧がここから化けたりしたら面白いのだが。
(たぶんないだろうけど)