新型犬型相撲日録

元木村山の前髪

本のおすすめ・武田葉月著「横綱」

新刊で面白い本を読んだので、ちょっと紹介。

横綱横綱
(2013/05/08)
武田 葉月

商品詳細を見る

四十五代若乃花から七十代日馬富士に至るまで、
横綱経験者21人へのインタビュー集。
我が身で味わってみなければ分からない綱の重みについて、
それぞれがじっくり語ってくれている。
文章は一人称で書かれており、至極読みやすい。

一番の読みどころは双羽黒こと北尾光司さんの章。
すっかり表舞台からは姿を消してしまったが、この本では久々の登場。
廃業の折の騒動や、その後の人生について今の思いを語ってくれている。

他にも興味深い話がたくさん。
北海道巡業で地元の千代の富士に花をもたせるべき処を、
ライバル心から堂々吊りだしで破ってしまった隆の里の述懐には笑ってしまった。
さすがKYと言われる稀勢の里の師匠。

武蔵丸の章も面白い。
貴乃花の「鬼の形相」の一番ではすっかり敵役になってしまったが、
本人に言わせれば…

いや、あんまり書くとネタバレになるからやめておこう。
ぜひ読んでみてください。

それにしても皆が口を揃えるのは、
幕の上位から三役で横綱大関陣を食っていたころが一番楽しかった、ということ。
今なら妙義龍あたりがそんな時期なのだろう。
食われる側になってからは本当に苦しくて仕方が無いのが、この本を読むとよく分かる。
相撲関連では久々の好著。おすすめです。