新型犬型相撲日録

元木村山の前髪

「相撲」最新号の表紙を眺めつつ

来る11月場所に向け発売された、月刊誌「相撲」九州場所展望号。
表紙はこちら。

相撲 2013年 11月号 [雑誌]相撲 2013年 11月号 [雑誌]
(2013/10/31)
不明

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巡業先で撮ったのだろうか、化粧回し姿の豪栄道と遠藤の2ショット。

豪栄道は先場所関脇で11勝、今場所は大関取りの足固め。
遠藤は先場所途中休場に終わりはしたが、新入幕で9勝と上々の成績。

どちらも今場所、注目株であるのは間違いない。
しかしこうして二人が並ぶと、遠藤の方が主役に見えて仕方がない。


10場所連続関脇の力士と、やっとこさ平幕の7枚目に上がってきた力士だ。
地力も地位も格段の差がある。なぜこうなるのか。

かねがね立ち合いでマワシにこだわり過ぎ、威力に欠けると言われてきた豪栄道。
先場所はそのあたりを大幅に改善。
マワシを引くより何より、まずは前へ出ることを徹底。
おかげで11番も勝てた。
今場所また大勝ちすれば、初場所は大関取り、
春場所は故郷の大阪で新大関デビューという流れも見えてくる。

けど、どうも見る側としてはワクワクしない。

別に豪栄道が嫌いなわけではない。
勝負勘の鋭さ、思い切りのいい相撲振り、不敵な面構え。
相撲好きにはアピール満載の力士だ。

しかしこの人が大関になるかも、と想像しても、
個人的には何だか気持ちが高ぶらない。

いま相撲ファンとして私が求めているのは、
クンロクあたりでお茶を濁すような大関が、一人や二人増えることではないのだろう。

毎場所毎場所あたりまえのように優勝し、
千秋楽には優勝インタビューで調子にのって要らぬことまで言いたい放題の白鵬。
あの男を堂々ぶち破り、賜杯を見事かっさらい、
ざまあ見やがれとこちらの溜飲を心ゆくまで下げてくれる、私が見たいのはそういう力士なのだ。

豪栄道には悪いが、今の彼にそこまでの可能性は感じられない。

かたや遠藤には可能性を強く感じる。
この男なら、いずれ白鵬と堂々四つに渡りあい、
かつて貴乃花と曙が時代を二分したような優勝争いを演じてくれるのではないか。

そんな思いが、大関を射程圏内にとらえた力士より、
入幕二場所目の新参者をきらめいて見せるのだろう。




というわけなので、あえて、豪栄道よ。
たとえこの先大関になったとしても、
どうか琴欧州や鶴竜のように守りに入らないでほしい。

いま相撲ファンが、
というか少なくともそのうちの一人が見たいのは、
己の保身に汲々とする大関ではない。
絶対的な王者の牙城を打ち崩し、
耐えて久しい日本人力士の優勝額を国技館に掲げてくれる、
そんな大関なのだから。