新型犬型相撲日録

元木村山の前髪

五日目

ここ三日間NHKのテレビ中継は、
今場所で65歳の定年を迎える親方をゲストに招いている。
おととい増位山、昨日黒姫山、ときて今日は青葉城の不知火親方。

よく解説には出ていたが、見たままを淡々と話す人で、
とくに気の利いたことをしゃべるわけでもない。
それでもなぜか、田舎の学校の先生の話を聞いているような、
不思議な安心感のある解説者だった。



そんな五日目。



遠藤は連勝ならず。

○北太樹<西前九・3−2>(おしたおし)遠藤<西前七・1−4>●

ともに左四つの両者。
立ち合い当たった後、北太樹右へいなす。
遠藤一瞬泳いで向き直りはしたが、
腰が立ったところ北太樹すかさず押し込んで持っていく。
遠藤さいご土俵際、相手の右腕をひっかけるようにして抵抗は見せたがすでに遅し。



大関狙う豪栄道に土

初日から4連勝の豪栄道。
今日は面倒な安美錦が相手。
今場所は琴奨菊、稀勢の里と二大関をやぶって好調。

●豪栄道<東関脇4−1>(はたきこみ)安美錦<西前一・3−2>○

豪栄道、立ち合い左はいつもの前ミツを狙わず、張って出る。
そこに相対する右からの張り手を見せた安美錦、
もろ手で突いて距離を保つと、
豪栄道が前へ出たタイミングでヒラリと右へ体をひらき叩きこむ。

豪栄道は曲者相手に考えすぎたか、立ち合いの圧力を欠く半端な相撲振り。
そこを老獪な安美錦につけこまれた印象。
取組後のレポートで「んー、間隔が開いた」とのコメント。
その間隔をうまく作ってしまう安美錦。



稀勢の里は1敗をキープ

○稀勢の里<東大関4−1>(よりきり)旭天鵬<東前二・0−5>●

仕切りの間に面白い話が。
解説が通算連続出場1位の記録(1630回)の記録を持つ不知火さんということで、
現役力士の同じ記録を検証。
なんと稀勢の里がトップなのだとか。

いわれてみれば稀勢の里は怪我をしない力士だ。
本人の談では、先代の親方から「下がる相撲は怪我につながるから取るな」と教えられたとのこと。
それを忠実に守っているようだ。

なるほどな、だからキセはがむしゃらに前へ出るのか、と思ったり。
しかしそれで墓穴を掘ることもあるんじゃないか、と思ったり。
このままではキセは丈夫で長持ちなだけの大関で終わってしまうのではないか、と思ったり。

相撲は旭天鵬が立ち合い変わり気味に右の上手を取れば、
稀勢の里よく対応して正対、左をさして相手の上手を切り、右の上手も取って前へ。
旭天鵬は左からの下手投げで抵抗、しかし稀勢の里上手を離さず。
二度ほどそんな動きがあった後、三度目でやっと稀勢の里が寄り切った。

白鵬も日馬富士もこの相手にはもう少し簡単に勝っている気がする。
横綱になる人と稀勢の里は何が違うんだろう。
要するに腰が高いということなんだろうけど、ううん。



白鵬は豊ノ島、日馬富士は高安と若干面倒な相手を危なげなく下し、全勝を維持。
平幕ではレジェンド翔天浪と玉ヨウカンの舛ノ山が何気に勝ちっぱなしだったりする。