新型犬型相撲日録

元木村山の前髪

十四日目

1敗対決は鶴竜に軍配

●白鵬<東横綱12-2>(よりきり)鶴竜<東大関一・13-1>○

鶴竜左右から突き起こして立てば白鵬右へ回りこんで右を差す、
鶴竜すかさず左の前ミツを引いて頭もつけ横綱の右差しを殺すと、
自らも右を差してあおりながら東土俵に寄り切る。

昨日の琴奨菊戦で右手の指を痛めていた白鵬。
その影響があったかなかったか定かではないが、終始受けに回っていた。
一方の鶴竜は立ち合いの諸手突きから先手先手で組み立てていく内容で、
首尾よく横綱を仕留めた。



日馬富士は3敗で優勝戦線から脱落

○琴奨菊<西大関8-7>(よりきり)日馬富士<西横綱11-3>●

琴奨菊すばやく立って右四つで前へ出れば、
日馬富士左を巻きかえこれを凌ぐも、琴奨菊も左を巻きかえ互いに左四つの体勢。
日馬富士左からちょっと投げを打つが逆に体勢を崩し、
琴奨菊左を深く差して返し胸をあわせ黒房下に寄り切る。

かくして日馬富士12日目から3連敗。
優勝戦線からは離脱とあいなった。



これで鶴竜が1敗の単独トップに。
千秋楽の琴奨菊戦に勝てば優勝が決まる。
負けても結びの白鵬-日馬富士戦で日馬富士が勝てば優勝、という流れになった。

昇進の目安として「13勝以上の優勝」というノルマが理事長から課されているが、星数は既にクリア。
あとは優勝のみ、という状況となった。
71代横綱の誕生も間近である。

しかし個人的にはあまり気持ちが盛り上がっていない。
「またモンゴルかよ」というのが正直なところだ。
需要がない、と書いては鶴竜に失礼だろう。
別にプロレスやってるんじゃないんだから。
でもこの人の昇進が決まっても「おめでとう」とは思うが「やったぜ」とは思えないのだよな。
ごめんよ鶴竜。

ネット界隈を見ていると、相撲の好きな人ほどこうした見方を嫌う。
みなモンゴル人を嫌うけど、彼らの相撲は面白いよ、じょうずだよ、
生まれ育ちよりも相撲そのものを見てよ、と彼らは言う。

それは分かる、よく分かる、というか、頭では分かる。
だが感情がついて行かない。熱くはなれない。
悩ましいところだ。



今場所目玉の遠藤は負け越し

●遠藤<東前筆頭6-8>(つきたおし)千代大龍<西前七・9-5>○

千代大龍左カチアゲ右ノドワで遠藤をのけぞらせ、
諸手突きで一気に東土俵に追い込み、左に回りこもうとする遠藤を最後は右の一発でふっとばす。

遠藤は立ち合い得意の右前ミツに手はかかったが、
千代大龍はカチアゲた左を下ろしながらすかさずこれを切ってしまった。
圧力で劣る遠藤はマワシを引かないと相撲にならない。
こう上手く取られてはどうしようもない。

筆頭で勝ち越せば早くも新三役、とNHKのアナは場所中散々言っていた。
そうはならなかった。
しかし初めて上位に昇り、今のところでも6勝。
大健闘と見ていいだろう。

今場所勝った相手は稀勢、玉鷲、欧洲、大砂嵐、豊ノ島、松鳳山。
稀勢の里のポカミスや引退間際だった琴欧洲はともかく。
上位の常連である豊ノ島や松鳳山からしっかり勝ち星を奪ってみせた。
これだけでも十分評価できるはずだ。

千秋楽の相手は直近3場所で3連勝している得意の嘉風。
ここを抑えて負け越し1点にとどまれば、来場所も上位との対戦圏内に踏みとどまるし、
仮に負けても番付で周囲の力士がみな負け越しているので、そう下がることはないかも知れない。

まだまだ夏場所以降が楽しみ。