新型犬型相撲日録

元木村山の前髪

五日目

豊ノ島、照ノ富士を熱戦の末降す

○豊ノ島<東前六・4−1>(したてだしなげ)照ノ富士<西前三・2−3>●

立ち合い豊ノ島双差し狙うも、照ノ富士右を差し勝ち右四つの体勢、
照ノ富士右のカイナを返し左の上手に手を伸ばすが、これは豊ノ島腰を振って嫌い、
ならばと照ノ富士左は抱え込んで赤房に吊って出たが、
これはかなり強引で豊ノ島難なく残し、体を入れ替え腹を突き出し逆に寄り詰めると、
今度は腰の重い照ノ富士しっかり残すが、
豊ノ島返す刀で左からいなし、ようやく双差しに成功、頭をつけて中に入れば、
照ノ富士右上手を引き持久戦に持ち込もうとする、
そうはさせじと豊ノ島、左を抜いて右から出し投げを打つもやや呼び込む格好、
乗じて照ノ富士西土俵に寄って出るが、
豊ノ島体を開きも一度右から出し投げを打てばようやく決まる。

1分近い大相撲で館内は拍手喝采。191センチの照ノ富士と170センチの豊ノ島の激しい攻防は見ごたえがあった。それでも右で相手のカイナを返しておきながら、左で上手が取れないと見るや抱え込んで吊りに行くという照ノ富士の無茶苦茶な攻めが、無駄に勝負を長引かせた観もある。今宵は怖い親方から懇懇と説教を喰らうことであろう。



逸ノ城冷静に豪風を叩きこむ

●豪風<東小結1−4>(はたきこみ)逸ノ城<西関脇3−2>○

立ち合い逸ノ城右を差しに行くが、豪風おっつけてこれを防ぎ、
さらに相手の上手から逃れるように左へ回り込んだが、逸ノ城は落ち着いて見て正対、
一瞬見合って豪風飛び込もうとするところ、逸ノ城右から首をおさえ、土俵中央叩きこむ。

逸ノ城が小さく素早い相手を落ち着いて下す。序盤5日間は3勝2敗で乗り切った。勝った相手は関脇以下、負けた相手は大関以上(日馬富士、豪栄道)で、今のところ関脇という地位が妥当であることを証明している。明日から横綱大関戦が連日組まれるのであろうが、いよいよ真価が問われるステージに突入する。



琴奨菊は安美錦相手に左を差して走ったが、右のおっつけが甘く相手の左からの肩すかしを許し3連敗。引きあげる表情は相当に固かった。

稀勢の里は立ち合い碧山に圧力負けし、突き出されて初黒星。これがキセの安定感。

不調の日馬富士は勢に対し、立ち合い左変化で上手をつかむ十八番を敢行。上手投げに決めて連敗を2で止めた。

平幕で勝ち放しだった隠岐の海と旭天鵬が今場所初黒星。全勝は白鵬と鶴竜の横綱2人だけとなった。



眠れる大器栃乃若、幕尻一歩前の東15枚目で1勝4敗と苦戦中。今日の中継でも「もっと上手からガバッと取って勝負すればいいのに」といつもの話題に。正面解説の北の富士さんは向正面の竹縄親方(栃乃若の部屋付き親方)に「栃乃若は腕力に自信がないんじゃないの」と振ると、竹縄さん「そうです」とのお答え。「だから双差しにこだわるんだろうねえ。でもそれならなおさら上手を取っていかないと」というのが元横綱の結論だった。

なるほど確かに上手から勝負する力士は怪力のイメージが強い。しかし非力ならばなおさら、相手のカイナを殺すために上手を浅く取るべし…ということだろうか。この辺りの話はもう少し聞きたかったが、これ以上は膨らまずに終わってしまった。

初日か二日目の中継で、栃乃若は最近稽古場で右で上手を引く練習をしているとの話があった。本場所の土俵では相変わらずの双差し狙いに見えるのだが。