新型犬型相撲日録

元木村山の前髪

九日目

宝富士4敗目

 

○栃煌山<東小結4-5>(おしたおし)宝富士<東前一・5-4>●

立ち合い栃煌山左ハズ右おっつけで宝富士の左差しを封じ、右へいなして相手の出るところをちょっと突きたて二本差し。正面へ攻め込み宝富士が右へ回り込むのを押し倒して破る。

 

直近3場所3連勝とお得意さんにしつつある相手に、宝富士は手痛い黒星。左のおっつけで栃煌山の右を封じ、自分の形に持ち込むのが最近のパターンだった。今日は正反対に相手の右に自分の左を封じられたかっこう。そのあとの栃煌山のいなし、突いておいての双差しも上手いものだった。

 

宝富士は立ち合いの際、先に両手を下してじっと栃煌山が立つのを待っていた。これを評して正面解説元雅山、二子山さんのコメントが面白かった。先に手を下してしまうと、相手が立つまで息を止めているので、ふわっとした立ち方になってしまうケースが多いんですよね、とのこと。先に手を着いたほうが相手のタイミングで立つことになるから不利だな、というのは何となく見ていて感じてはいた。しかし「息を止めているので」と言われるとずいぶん感覚が伝わってくる。そういうことなのか。


 照ノ富士の連勝を阻んだのは何と德勝龍

 

●德勝龍<西前四・5-4>(よりきり)照ノ富士<東関脇7-2>○

照ノ富士右から張って左をのぞかせ西土俵に攻めこめば、德勝龍右の前ミツ引いて振りまわし、体を入れ替える。俵を背にした照ノ富士、左差し右おっつけで逆襲するも、德勝龍右出し投げで大きく泳がせ、左を差してカイナを返し、堂々東土俵に寄り切る。

 

德勝龍会心の相撲。勝負のついた直後、サガリをさっと抜きつつホッと大きく息を吐く。やったぜ、という表情。もともと組んでも離れても取れる、とったりも変化もある、何でもできるが今一つ星が上がらない。器用貧乏な印象で、そのためかネット上でもいじられがちだったこの人。先場所あたりから正攻法に徹し、モデルチェンジを図ってきた。今回の右出し投げから左差しの相撲はお見事。ネタ力士を脱し、正統派の強豪に生まれ変わるか德勝龍。

 

もっとも照ノ富士も立ち合いの迫力が今一つで、やや甘く見ていた嫌いがあった。上手をしっかり引く前に出たのも敗因の一つだったろう。


 日馬富士は玉鷲に初金星を献上。九日目終えて1敗白鵬、魁聖、旭秀鵬。2敗が日馬富士、稀勢の里、照ノ富士、ほか平幕3人。じわじわと白鵬の独走ペースに。