新型犬型相撲日録

元木村山の前髪

十三日目

宝富士勝ち越しにリーチ

 

○宝富士<東前一・7-6>(こてなげ)豊ノ島<東前二・4-9>●

立ち合い豊ノ島得意の二本差し、しかし出足に優る宝富士、両腕で挟みつけて構わず前へ出ると、左へ回り込む相手を正面に攻め立て、左小手投げで仕留める。

 

相手十分の形になりかかったが、マワシに拘らず出足で持って行った宝富士。同じ部屋の照ノ富士も、十日目に同じ相手を同じような相撲で破っている。「宝関、今場所の豊ノ島なら極めて行けますよ」そんなアドバイスが照ノ富士からあったかどうか。妄想をたくましくしてしまう。

 

これで勝ち越しにリーチがかかった。十四日目の相手は西の十枚目で9勝と大勝ちしている隠岐の海。左の相四つで相撲の長い相手だけに、互いに下手を差してじっくり上手を探りあう展開か。好勝負の予感もある。

 

気になる宝富士新三役の可能性。十三日目を終えて西関脇妙義龍、東小結栃煌山、西小結逸ノ城がいずれも6勝7敗とあとの無い星取り。宝富士にはチャンスの芽が広がってきた。しかし西筆頭の栃ノ心も7勝6敗と、宝富士同様勝ち越しまであと一つに迫っている。仮に星が同点となれば、直接対決に勝った栃ノ心が昇進は優先されよう。宝富士は残り2日白星をならべ9勝6敗とすれば、栃ノ心の星如何ではあるが可能性はより高くなる。


 魁聖が3敗に後退

 

●魁聖<東前十一・10-3>(うわてなげ)豪栄道<西大関8-5>○

立ち合い豪栄道右へ変化。魁聖面食らいつつも向き直って右四つ。魁聖得意の左上手を引くが、豪栄道とっさに左へ回り込んでこれを切り、白房土俵上手投げで転がす。

 

今場所は平幕下位で大勝ちの魁聖。場所によって出来不出来に波のある人だが、今回は随分と大波に乗っている。白鵬と並び優勝争いトップということで、終盤に急遽大関戦が組まれた。豪栄道の左変化は予想していても、右変化はさすがに頭に無かった様子。相手のペースでいいようにあしらわれた。

 

それにしても大関が平幕相手に逃げてはみっともないな、と感じたが、一夜明けてこんなニュースが。

豪栄道が左肩骨折で休場 白鵬破った一番で負傷 

大相撲の西大関豪栄道(29=境川)が夏場所14日目の23日、「左肩峰剥離骨折で約4週間の加療を要する見込み」との診断書を日本相撲協会に提出して休場した。13日目(22日)に勝ち越しを決めている。

師匠の境川親方(元小結両国)によると、12日目(21日)に横綱白鵬を首投げで破った一番で負傷したという。親方は「左肩は2カ所で亀裂骨折している。13日目から相撲を取れる状態ではなかった。今は治療に専念するしかない」と述べた。豪栄道は場所前から右肩痛も抱えていた。(後略)

 白鵬戦で7勝までこぎつけたところで、このまま休場し来場所カド番を迎えるよりは、勝ちにこだわった相撲で地位の安泰を確保してから休みたかったのだろう。場所前は右肩を痛め、今度は左肩。体の小さなこの人にとって大関の看板は荷が重すぎたようだ。


3敗の稀勢の里は日馬富士にあっさり撃沈

 

●稀勢の里<東大関9-4>(はたきこみ)日馬富士<西横綱9-4>○

立ち合い日馬富士低く当たり、左ノド輪に行くと見せてその手を首にひっかけ左へ回り込めば 、稀勢の里西土俵下へ転げ落ちる。

 

白鵬、魁聖に星の差一つでつけていた稀勢の里。初優勝のチャンスと報じられてはいたが、今場所の悪い内容を見る限り可能性は低いように思われた。この日も、ここまで金星三つ献上と不調の日馬富士の攻めすら残せず惨敗。下半身が思うように動かないのだろう。

 

今場所は横綱大関陣の衰えがひどく目立つ。日馬富士は足首の状態もあってか相撲が軽い。稀勢の里は相手の攻めに押し込まれる場面が多い。琴奨菊はこれまで負けるなら前に落ちるのがもっぱらだったのが、最近は後ろに下がって敗れることも珍しくなくなった。豪栄道は昇進してさほど時間は経っていないが、すでに前述のとおり満身創痍の状況。白鵬も優勝こそ逃さないだろうが、地力が落ちていることは否めない。1年くらい経てば、顔ぶれはだいぶ変わりそうな雰囲気だ。


 白鵬は琴奨菊をあっさり上手投げに下し、結局単独トップに。3敗で照ノ富士、平幕の勢、魁聖。